今回は、ウルトラワイドモニターのメリットと注意すべきデメリットについてご説明いたします。
ウルトラワイドモニターとは
ウルトラワイドモニターとは、一般的なPCモニターより横幅が長い製品の総称です。
ウルトラワイドモニターの場合、21:9や32:9といった横方向に長い製品であることが特徴です。
21:9のウルトラワイドモニターは、一般的なワイドモニターよりもさらに横幅が広いため、複数のアプリケーションやウィンドウを並べて作業する際に便利です。
ゲームや映画を楽しむときにも、広い画面が臨場感あるエンターテインメント体験を提供します。複数のタスクを同時にこなすことが多いプロフェッショナルユーザーやクリエイターにとって、広い作業スペースが大きなメリットとなるでしょう。
一方、32:9のウルトラワイドモニターは、さらに広い画面を持ち、特に画面分割やマルチタスクを重視するユーザーに適しています。このタイプのモニターは、複数のウィンドウを並べて作業する際に、効果的な画面分割を実現できます。プログラミングやデザイン作業など、大量の情報を一度に確認する必要がある場合にも便利です。
21:9のウルトラワイドモニターのイメージ
32:9のウルトラワイドモニターのイメージ
ウルトラワイドモニターのメリット
近年、パソコン作業やエンターテインメントを楽しむ際に、ウルトラワイドモニターの人気が急上昇しています。
実際に使っている私が体感しているウルトラワイドモニターのメリットをご紹介します。
広大な作業スペース
ウルトラワイドモニターは、広い画面領域を提供するため、作業スペースが大幅に広がります。複数のウィンドウを並べて作業する際に、効率的に情報を管理できます。
データ分析や情報整理にも役立ちます。それは、大量の情報を同時に表示でき、全体像を把握しやすくなるからです。
ウルトラワイドモニターがあれば、一台だけであたかも2つのモニターがあるように複数のアプリを横並びにさせることができます。
以下はスプレッドシートをウルトラワイドモニターで横並びにしたときの画像です。
1画面の画像です。ダブルモニターではありません。
通常のモニターの場合、2つ以上のソフトを同時に起動させて作業する場合は、どちらかを非表示に切り替えて作業しなければならないこともあります。
あるいは、通常のモニターにおいて、パソコンへのデータ入力をするために、わざわざスプレッドシートのデータをプリントアウトして作業していたことはありませんか。
ウルトラワイドモニターなら、画面の切り替えや、プリントアウトは不要で、2つ以上のソフトを同時に表示させることができます。
複数のアプリケーションやウィンドウを同時に表示できるため、マルチタスクがスムーズに行え、効率的な作業ができます。
迫力のあるエンターテインメント
ウルトラワイドモニターは映画やゲームを楽しむ際に、迫力のある視覚体験を提供してくれます。
広い画面で臨場感たっぷりに映像を楽しむことができます。
典型的なウルトラワイドモニターのアスペクト比は、通常のワイドモニターよりも広く、一般的には21:9や32:9などがあります。この広い画面比率によって、映画やゲームの視聴体験が劇的に向上します。
例えば、映画の場合、通常の16:9のモニターよりも広いウルトラワイドモニターでは、映画が制作されたオリジナルのアスペクト比に近い形で表示されます。これによって、映画監督が意図した映像全体を余すことなく楽しむことができます。ブラックバー(上下の黒い帯)が表示されることなく、映画の世界に没入することができるのです。
また、ゲームにおいても、ウルトラワイドモニターはプレイヤーに広大な視野を提供します。
例えば、ファーストパーソンシューターゲームでは、広い画面がプレイヤーに狭い通路や広場、敵の位置などをより詳細に把握する機会を提供します。これによって、戦略を練る際に有利な状況を作り出すことが可能です。
さらに、ウルトラワイドモニターの解像度も重要な要素です。
高解像度のモニターは、細部までクリアに映し出すことができ、映画やゲームのグラフィックスがよりリアルかつ美しく表現されます。高解像度と広い画面の組み合わせによって、映画やゲームの世界に没入し、まるでそこにいるかのような体験をすることができます。
ウルトラワイドモニターはその広大な画面と高解像度によって、映画やゲームを新たな次元で楽しむことができる優れたツールです。臨場感に満ちた映像や没入感あるゲームプレイを体験しながら、エンターテインメントの新たな世界を楽しむことができますよ。
デザインや編集作業に適している
グラフィックデザインや写真編集などのクリエイティブ作業に最適です。広い画面で細部まで確認しながら作業できるため、クオリティの高い成果物が生み出せます。
デザインや編集作業において、細かなディテールや色のニュアンスが重要です。
ウルトラワイドモニターはその広さと解像度によって、作業画面全体を拡大して表示できるため、微細な部分も見逃すことなく編集することが可能です。
例えば、写真編集の際には、写真内の細かな要素やテクスチャ、色の変化などを鮮明に確認できます。これによって、クオリティの高い写真編集が行え、魅力的な成果物を生み出すことができます。
また、グラフィックデザインにおいても、ウルトラワイドモニターは大きなキャンバスを提供します。
ロゴやイラスト、広告のデザインなどを制作する際に、広い画面上で複数の要素を配置したり、デザイン全体のバランスを確認したりすることが容易です。さらに、作業画面を分割して複数のアプリケーションを同時に使用することもできるため、デザイン作業と参考資料の確認などを同時に行うことができます。
テレビにもなる
ウルトラワイドモニターは大画面で高解像度の映像を楽しむことができるため、チューナーと組み合わせることでテレビにもなります。
テレビを置くスペースが限られている場合でも、ウルトラワイドモニターを使用してエンターテインメントを楽しむことができます。
一つのディスプレイでパソコンのモニターとテレビの機能とを兼ねることができますので、効率的な生活をサポートするツールとして重宝されています。
ビデオ会議も快適
ビデオ会議中に、相手の顔やプレゼンテーション資料を同時に確認できます。コミュニケーションが円滑に行えるため、効果的なビジネスコミュニケーションが可能です。
最近は、テレワークの浸透でビデオ会議がビジネスコミュニケーションにおいて重要なツールとなっています。
しかし、通常のモニターでは相手の顔や情報を十分に確認することが難しいことがあります。ここでウルトラワイドモニターが大きな利点を発揮します。
ウルトラワイドモニターの広い画面は、ビデオ会議中に相手の顔や表情を拡大して表示するのに適しています。これによって、相手のリアクションや表情をより詳細に読み取ることができ、会話のニュアンスを逃さずに捉えることができます。また、同時に複数の相手を表示することも可能で、チームとのコラボレーションやグループディスカッションが円滑に行えます。
さらに、ビデオ会議中にプレゼンテーション資料を共有する際にも、ウルトラワイドモニターは大きな利点を提供します。
プレゼンテーション資料やスライドを一度に複数表示することができるため、自分の画面と相手の画面を比較しながら資料を説明することができます。これによって、相手に対して効果的に情報を伝えることができ、プレゼンテーションの質を向上させることができます。
リアルタイムでのコミュニケーションや情報共有が円滑に行えるため、チーム間の連携やクライアントとのコミュニケーションを強化させることができます。
なお、基本的なウルトラワイドモニターはカメラは内蔵されていません。
ビデオ会議向きのウルトラワイドモニターがありますのでご紹介します。
注意すべきウルトラワイドモニターのデメリット
スペースの必要性
ウルトラワイドモニターは通常のワイドモニターよりも大きな画面を持っていますが、その分スペースも必要です。デスク上に設置する際に、適切な配置を考える必要があります。
ウルトラワイドモニターは、その広い画面が魅力ですが、デスクスペースが限られている場合には注意が必要です。
大きなモニターを無理に設置しようとすると、デスク上が混雑してしまい、作業効率が低下する可能性があります。
また、ウルトラワイドモニターは横幅だけではなくデスクの奥行きにも考慮しながら配置する必要があります。
横に長いモニターを安定的に支えるには縦の幅も必要だからです。
狭いスペースにウルトラワイドモニターを設置すると視点とモニターとの距離が縮まり、威圧的に感じるかもしれません。
製品ごとに異なりますが、だいたい20センチ前後の奥行きのスペースが必要と理解するのがいいと思います。
あるモニターの例です。
価格の高さ
ウルトラワイドモニターは、その大きな画面や高解像度、特殊な機能などから、通常のモニターよりも価格が高くなることが多いです。
一般的なワイドモニターよりも高価格なため、購入を検討する際には予算の確保が必要です。しかし、その価格に見合った利点や利用価値があるかどうかもしっかりと検討することが大切です。
価格が高いからといって、無理に高性能なウルトラワイドモニターを選ぶ必要はありません。
自身のニーズや用途に合ったモデルを選ぶことが重要です。必要な機能や解像度を考え、その範囲内での選択を検討しましょう。例えば、高解像度のモデルや特殊な機能を必要としない場合は、中程度の価格帯のモデルでも十分に満足できるかもしれません。
一部のアプリケーションとの互換性
一部のアプリケーションやウェブサイトは、ウルトラワイドな画面に対応していないことがあります。表示がうまく調整されない場合もあるため、注意が必要です。
ウルトラワイドモニターは、その広い画面が特徴であり、多くの場合は通常のモニターとは異なるアスペクト比を持っています。一部のソフトウェアやウェブサイトは、この特殊なアスペクト比に適応されていないため、表示が不自然に伸びたり、レイアウトが崩れたりすることがあります。
例えば、ウェブサイトを閲覧する際に、一部のページは画面いっぱいに広がって表示される一方、別のページでは余白が広がってしまい、効果的な閲覧が難しくなることがあります。また、アプリケーションの中には、ウルトラワイドな画面に対応していないため、ユーザーインターフェースが適切に表示されなかったり、操作が難しかったりすることがあります。
このような場合には、ウルトラワイドモニター専用の表示設定や、ソフトウェア内の調整オプションを活用することがあります。
一部のモニターは、アプリケーションごとに表示を調整する機能を提供しており、画面の拡大・縮小や配置の調整を行うことで、表示の不具合を軽減することができます。
画面が横長のため両端の画像を斜めから見ることになる
ウルトラワイドモニターは画面が横長のため、平面タイプのモニターだと視点を中心に画面の中心からその両端に進むにつれて視点との距離がわずかに離れていくことになります。
その結果、両端は視点の正面からではなく斜め側から見ることになります。
差はわずかですが見え方に違いが生じるので注意が必要です。
これを解決するのには湾曲型のモニターがおすすめです。
湾曲型モニターは、画面がわずかに湾曲しているタイプのモニターです。これにより、画面の中央から端までの距離が均等になり、視野角が広がる効果があります。湾曲型モニターは、特にウルトラワイドな画面を持つモデルにおいて、画面の端までの視認性を向上させることができます。
特にゲームや映画などで没入感を得たいのであれば湾曲型のモニターがおすすめです。
なお、平面型モニターが向いている作業もあります。特にデザインやプログラム開発など、正確な表示が必要な作業には平面型モニターがぴったりです。
スピーカーがないモデルもある
一般的なモニターもそうですが、ウルトラワイドモニターにはスピーカーが搭載されていないモデルがあります。
後で後悔することがないよう事前にチェックしましょう。
スピーカーが搭載されていないモデルであっても、外部スピーカーやヘッドフォンなどのオーディオデバイスを別途用意すれば問題ありません。
スピーカー内蔵のモデルとそうでないモデルを比べ、外部スピーカーの機能や価格を考慮したうえで、あえてスピーカーが搭載されていないモデルを選択することもあるでしょう。
スピーカーが内蔵されていないモデルを選ぶ場合、外部スピーカーの接続やオーディオ設定に注意を払うことが重要です。また、モデルごとに対応するオーディオポートや接続方法が異なる場合もあるため、事前に確認しておくことがおすすめです。
スピーカー内蔵モデルの例はこちらです。
ぜひ一緒にウルトラワイドモニター生活をエンジョイしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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