今回は、インデックス投資を成功させる5つのポイントをご紹介します。
私の直近の投資成績について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
インデックス投資ってなに?
インデックス投資とは
インデックス投資とは、「インデックス(市場の動きを示す指数)」と同じ値動きをすることを目指して運用する投資手法のことです。
インデックスの代表例は、日経平均やTOPIX、ダウ工業株平均といった株価指数です。
インデックス投資は、市場連動型の投資ですので、市場に身を委ねる「あるがまま」の投資手法です。
自己の判断を関与させない、市場まかせの投資手法とも言えます。
インデックス投資との対極:アクティブ投資について
インデックス投資の対極にあるのがアクティブ投資です。
アクティブ投資は、投資家自らが投資商品の値動きを予想し、その売買を繰り返すことによって利益の最大化を狙う投資手法です。
また、自分の代わりに専門家が自動的にアクティブ型の投資を行ってくれる投資信託などの金融商品を購入して投資することをアクティブ投資ということもあります。
投資に対する一般的なイメージはむしろアクティブ投資の方を連想される方が多いかもしれません。
アクティブ投資では、主に「将来の値上がりを見込んで安値で金融商品購入する」、「値上がりしたときに金融商品を市場で売却する」ことを繰り返すことで利益を得ます。
相場の上昇と下落という波を見極めながらビッグウェーブを常に狙い続けるアクティブ投資はサーフィンに似ているかもしれません。
インデックス投資よりもはるかに大きな利益を狙えるのがアクティブ投資です。
なぜインデックス投資が注目を集めているのか?
はっきり言って、インデックス投資はアクティブ投資に比べて地味ですし、派手なリターンが見込めるわけではありません。
それでもなぜインデックス投資が注目されているかというと「アクティブ投資はインデックス投資にかなわない」と言われているからです。
統計的には、人の判断で積極的に売買を繰り返すアクティブ投資よりも、市場の波に身を委ねるだけの、あるがままの投資手法(インデックス投資)の方が良いパフォーマンスを収められる可能性が高いことが証明されています。
大きなリターンが魅力のアクティブ投資ですが、一般的に指摘されるデメリットには以下のようなものがあります。
- 投資には勝ち負けの心理要素が絡むため、冷静な判断ができず誤った判断をしがちである
- 売買を繰り返すこと自体に多くの時間的・金銭的なコストがかかる。また、アクティブ型の投資商品は運用コストが高い
- 安いときに買い、高いときに売るといった理想的な売買をいつも繰り返すことができるわけではない
- 高いリターンを期待できる分、損失の可能性も大きくなる
もちろん、アクティブ投資を行っている一部の個人投資家や機関投資家の中には優れたパフォーマンスを出しているものもあります。
インデックス投資の方が良いパフォーマンスを収められる可能性が高いというのはあくまで全体の統計・傾向の話です。
なお、私自身はインデックス投資を中心に投資を行った結果、およそ8年をかけて金融資産7,000万円に到達することができました。
インデックス投資を成功させる5つのポイント
それでは、インデックス投資を成功させる5つのポイントについてご説明します。
インデックス投資の基本的な仕組みを理解する
インデックス投資を「ほったらかしでOK」と紹介しているメディアもあります。
確かに基本的にはルーティンに沿って金融商品を保有したり、買い足ししたりするだけなのですが、「ほったらかし」ではありません。
購入後の金融商品の値動きには、常に、または定期的なチェックが必要です。
国内外の株価や各種指標が日々どのように変化することを把握し、それらがどのように自分の金融資産の価格に連動していることが分かれば、自分にとってのリスク許容範囲も分かります。
あまりにも自分にとって許容できない値動きをする金融商品であれば、一旦売却して他の金融商品に投資することを検討することも大事です。
また、そもそもどの金融商品を選定するかについては、ある程度の金融知識が必要です。
残念ながら、金融市場には、あなたからお金を巻き上げようと待ち構えている人がたくさんいます。
何も知らないままで金融市場に飛び込むのは、素人がいきなりプロボクサーと戦うようなものです。
あるいはポーカーゲームのように、カモになって丸裸にさせられてしまうかもしれません。
正しい金融知識を身につけておくことで、周りに流されない、だまされない、投資に関する自分の軸を持つことができます。
正しい知識や自分の軸を持つことができれば、100メートル走で言えば、10メートル、20メートル先の地点から走り始めるのと同じくらい有利な立場に立つことができます。
何より、将来がかかった自分の大事な資産(=お金)の運用なのですから、「ほったらかし」や「不勉強」でいいわけがありません。
ぜひこちらの記事を参考にしてください。
成果をあせらず、派手な投資成績を期待しない
インデックス投資は市場に身を委ねる投資手法ですので、はっきり言って成果は地味です。一晩で投資した資産が倍になるということはありません。
過度の期待をせずに、長期的にコツコツと資産を積み上げるイメージを持って続けましょう。
思ったよりも成果が上がらなかったり、運用成績がマイナスになったりしたことで、インデックス投資をやめてしまうのはもったいないです。どの企業も株価上昇を重要指標の一つとして事業活動を行いますし、各国の政府もGDP増加などの経済政策に力を入れています。
インデックス投資においては、各種指標(≒インデックス)は下落と上昇のジグザグを繰り返しながらも10年、20年といった長期スパンでは右肩上がりで推移することが成功の前提となっています。
右肩上がりに至る過程での一時的な停滞や下落は織り込み済みです。また、株価下落時は安く買えるチャンスにもなります。
株価下落も味方にして、成果をあせらず、長期スパンでインデックス投資を継続しましょう。
分散投資をする
「卵は一つのカゴに盛ってはいけない」という格言をご存知でしょうか。
これは「Don’t put all your eggs in one basket.」の和訳で、投資の世界では「対象の金融資産を一つに集中させずに分散したほうがよい」という意味で使われます。
例えば、一つの企業の株にすべて資産を投じてしまうと、その企業が倒産したときにはすべての資産を失ってしまうことになります。
よって、資金を複数の投資対象に分散させるのが望ましいです。
株価指標などのインデックスはそもそもが複数の企業の株価で構成されていますので、インデックス投資はそれ自体が分散投資とも言えます。
しかしながら、異なる指標(≒インデックス)の金融商品に投資したり、投資のタイミングをずらしたりすることで、さらに分散効果を高めることができます。分散の種類には以下のようなものがあります。
・時間的な分散効果
・地理的な分散効果
・投資商品の分散
・通貨の分散
詳しくは以下の記事をご参照ください。
元手を増やす
インデックス投資は、資産をゆるやかに積み上げる投資手法です。
少ない元手で大きく稼げるわけではありません。
したがって、元手がたくさんある方が有利です。
例えば、年間で5%増やすことができる金融商品があったとします。
元手が10万円なら5,000円分しか増やすことができませんが、元手が1000万円なら50万円分を増やすことができます。
運用の利回りで言えばどちらも5%ですが、金額ベースでは元手が1000万円のほうがより多くの金額を増やすことができます。
したがって、インデックス投資では、資金力が重要だということになります。まだ十分資金がない場合にはどのようにして元手を増やせばよいのでしょうか。
3つ方法をご紹介します。
入金(投資金額)を多くする
単純なのが、入金(投資金額)を多くする方法です。
そうは言っても十分資金がない方にとってはそれが難しいのです。
そのような場合、資金を確保する手っ取り早い方法は「強制的に一定額を投資する」ことです。
「毎月1万円」、「ボーナス時に毎回5万円」など、あらかじめ投資額(≒引去額)を設定して自動的に一定額を投資信託などの商品に投資に回すのです。
そうすることで「お金が余ったときだけ投資する」といった不定期な投資を避けることができ、決まった額の投資を続けることができます。
再投資する
運用益は再投資に回しましょう。
再投資とは、投資で得られた利益を再び投資資金として投じることです。
運用益には主に2つのタイプがあります。
- 投資した金融商品自体の値上がり・・・「キャピタルゲイン」とも言います。
- 投資した金融商品からの配当金・分配金・・・「インカムゲイン」とも言います。
せっかくキャピタルゲインやインカムゲインを得られても、それらをそのたびに取り崩して浪費してしまってはもったいないです。それではいつまでたってもあなたの資産は丸々と太ってくれません。
キャピタルゲインを得られてもそのままにしておき、さらなる成長を楽しみにしましょう。そして、インカムゲインを元手にさらに投資を行うことで、あなたの資産を雪だるま式に増やしましょう。
なお、運用で得た収益をさらに元本に加えて投資することによって得られる効果を「複利効果」といいます。複利効果により、利益が利益を生み、資産がふくらんでいく効果が得られます。
複利効果を最大限活用することで資産増加のスピードが格段に早くなります。
投資信託によっては、得られたインカムゲインを自動的に再投資に回すことを選択できるものがあります。
投資信託の選択にあたっては「再投資」ができるものを選ぶようにしましょう。
早く始めて、長く続ける
投資する期間を長くすることで、先程ご説明した「複利効果」を長期に渡り得ることができますので、資産増加のスピードが格段に早くなります。
年利10%の金融商品を運用し、得られた収益をそのまま同じ商品に投資して運用すると、成果は次のようになります。※税金等の影響を除く。1年:1.10倍(1.10✕1)
5年:約1.61倍(1.10✕5乗)
10年:約2.59倍(1.10✕10乗)
30年:約17.45倍(1.10✕30乗)
50年:約117.39倍(1.10✕50乗)
仮に手元に100万円あり、この結果の通り運用できたとすると、100万円が10年後に約259万円、30年後に約1,745万円、50年後には1億1,739万円にもなります。
また、衝動買い・パニック売りをせず、市場にとどまり続けることも大事です。
これが簡単そうに思えて、実際にはなかなか難しいです。
明らかに株価が下落している中で安値で大量に買付をしたい衝動や、反対に、株価が高値圏にあるので売却して利益確定をしたい誘惑に打ち勝つには相当の忍耐を伴います。
投資対象がインデックスタイプの金融商品であっても、人の判断でその投資対象の商品の売買を繰り返していては、インデックス投資のメリットが薄れてしまいます。
いつから株価が下がるのかが分からないのと同じで、いつから株価が回復するのかも分かりません。
一度マーケットから退出してしまったら、次の値上がりのタイミングを逃してしまう可能性が高くなってしまいます。
「いつかは株価下落トレンドは終わる」、「株価下落中の2、3年は安く買えるチャンス」ととらえ、市場から逃げずにとどまることが重要です。
「いつ下がるか」、「いつ上がるか」は誰にも分かりません。
また、人の判断で売買をすると心理的なバイアスがかかってしまいます。
「いつかは上がる」、「下がることも織り込み済み」とのスタンスで市場にとどまり続けることで、指標変動の波を味方につけましょう。
経費率が安い商品を選ぶ
できるだけ経費率が低い金融商品を選びましょう。
ポイントとなるのは「信託報酬」です。
信託報酬とは、平たく言うと「インデックス投資の対象となる金融商品の運営コスト」です。
信託報酬はパーセント(%)で表されます。購入した金融商品の価格から、その率(%)に応じて自動的に信託報酬が差し引かれます。
証券口座に表示されている取引価格はすでに信託報酬が差し引かれた額ですので、別途支払う必要はありません。
長期間に渡る投資ですので、コスト(≒信託報酬)の差が将来の資産形成の大きな差になります。
同じ程度の投資パフォーマンスの金融商品同士であれば、コスト(≒信託報酬)が低額な方を選ぶのが賢明です。
例えば、信託報酬が2%の金融商品を100万円購入した場合、単純計算で運営コストとして2万円分(100万円×2%)が確実に差し引かれます。
残りの98万で資産運用を行うわけです。
仮に信託報酬が0.5%なら運営コストは5,000円ですので、残りの99.5万円で資産運用ができます。コスト面でどちらが有利なのかは明らかです。
1年間でもこれだけ差があるのですから、これが5年、10年になるとさらに大きな差になります。
信託報酬は自動で差し引かれますので日常的にいくら差し引かれたのかを意識することはありません。
普段は意識をしないだけに、商品を選ぶときに信託報酬を十分にチェックすることが非常に重要になります。
インデックス投資をするには証券口座の開設が必要
株を買うには証券会社で口座をつくる必要あります。
通常は国内株式の取引用の口座開設からスタートすることになります。
今やネットでの口座開設申込書、ネット上での株取引は当たり前です。
なお、海外株や海外ETFの取引をする場合には、海外株式用の口座を作る必要もあります。
こちらの記事を参考に、複数の口座を開設されることをおすすめします。
毎月または毎年どれくらいインデックス投資をすれば目標に達成するのか?(外部サイトの紹介)
インデックス投資における将来のシミュレーションを行うことができる外部サイト(楽天証券)をご紹介します。
以下の切り口でのシミュレーションが可能です。
- 運用成績・・・「毎月積立額」「積立期間」「リターン」を入力することで、運用成績(=最終積立金額)を計算します。
- 毎月の積立額・・・「最終積立金額」「積立期間」「リターン」を入力することで、「最終積立金額」の達成に必要な月々の積立額が計算されます。
- 積立期間・・・「最終積立金額」「毎月積立額」「リターン」を入力することで、「最終積立金額」達成にかかる時間(=積立期間)が計算されます。
- リターン・・・「最終積立金額」「毎月積立額」「積立期間」を入力することで、「最終積立金額」の達成に必要なリターンが計算されます。
積立かんたんシミュレーションはこちら(※楽天証券のサイトに移動します)
いかがでしたでしょうか。
皆様のお役に立てる情報がありましたでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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